不動産投資・証券化分野での
女性活躍をサポートする情報発信サイト
Women’s Leadership and Empowerment
女性マスター活躍推進小委員会
委員長 榎戸 明子(M0903109)
(東急不動産㈱ 常勤監査役)
多様化、グローバル化が日々進む不動産証券化マーケットにおいて、
この市場を牽引し、成長させていく私たちも多様化が求められており、市場からの期待と要請に応えていく必要があります。
私たち不動産証券化協会では2019年に「女性マスター活躍推進小委員会」を立ち上げ、
不動産証券化ビジネスに携わる女性の活躍やダイバーシティ&インクルージョンの推進をサポートする活動を続けています。
また当協会は、MISSION-VISION-VALUES(協会の理念体系)を実現するにあたり、「ESG経営に基づく信認の向上」を達成するための「ジェンダー平等実現に向けた女性マスター活躍推進」を目標の一つと設定し、2030年までに不動産証券化協会認定マスターの女性比率を20%(2024年4月時点12.9%)にすることを目標としています。
認定マスターの女性比率の上昇のためには、女性認定者の増加と定着を促すことが不可欠であり、
そのためには女性が働きやすい環境の一層の整備が何より重要となります。
そしてこうした活動は、ダイバーシティ&インクルージョンやESG経営の推進に資するものであると考えております。
皆様におかれましては、本活動へのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
女性マスター活躍推進小委員会とは
不動産投資・証券化分野における女性活躍を促進するため
2019年に教育・資格制度委員会の下に設置された小委員会です。
資格制度を通じた女性のエンパワーメントに注力しています。
当委員会の活動
当小委員会では「女性マスターの増加と定着」を活動のテーマに据え、
イベント等の企画・検討を行っています。
2020年以降は、会員や認定マスターからの要望の大きい「議論や交流の場の提供」「情報発信(広報)」として、座談会や交流会の企画、特設サイトの設置に取り組んでいます。
2006年に創設されたマスター資格制度では、創設当初には新規資格認定者に占める女性比率は5~6%でしたが、
今や20%に迫るほど増加を続けています。
女性 | 男性 | 計 | 女性割合 | |
---|---|---|---|---|
現在資格登録者数 | 1,484 | 9,973 | 11,457 | 12.9% |
2024/4/22時点
認定マスターとして専門知識を身に付けた女性が金融・不動産の各分野で活躍をしています。
なかでも不動産投資・証券化分野(投資顧問会社、投資法人資産運用会社)では、他業種と比べ女性比率が高い傾向となっています。
人数 | 男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|---|
人数 | 比率 | 人数 | 比率 | ||
不動産業 | 3,996名 | 3,589名 | 89.8% | 407名 | 10.2% |
不動産業 | 3,558名 | 3,195名 | 89.8% | 363名 | 10.2% |
不動産管理・ビルメンテナンス業 | 272名 | 242名 | 89.0% | 30名 | 11.0% |
その他の不動産業 | 166名 | 152名 | 91.6% | 14名 | 8.4% |
金融・保険業 | 5,045名 | 4,270名 | 84.6% | 775名 | 15.4% |
銀行業 | 733名 | 647名 | 88.3% | 86名 | 11.7% |
信託銀行業 | 1,029名 | 872名 | 84.7% | 157名 | 15.3% |
証券業 | 263名 | 240名 | 91.3% | 23名 | 8.7% |
不動産投資顧問業 | 1,286名 | 1,059名 | 82.3% | 227名 | 17.7% |
投資法人資産運用業 | 1,035名 | 835名 | 80.7% | 200名 | 19.3% |
リース業 | 170名 | 149名 | 87.6% | 21名 | 12.4% |
保険業 | 126名 | 110名 | 87.3% | 16名 | 12.7% |
その他の金融業 | 403名 | 358名 | 88.8% | 45名 | 11.2% |
専門サービス業(不動産鑑定、会計・税務・法律など) | 627名 | 531名 | 84.7% | 96名 | 15.3% |
不動産鑑定機関・鑑定士事務所 | 352名 | 309名 | 87.8% | 43名 | 12.2% |
監査法人、税理士法人 | 98名 | 83名 | 84.7% | 15名 | 15.3% |
税理士・会計士事務所 | 117名 | 85名 | 72.6% | 32名 | 27.4% |
建築事務所 | 40名 | 36名 | 90.0% | 4名 | 10.0% |
司法書士・行政書士事務所 | 11名 | 9名 | 81.8% | 2名 | 18.2% |
法律事務所 | 9名 | 9名 | 100.0% | 名 | 0.0% |
専門サービス業(シンクタンク、コンサルティングなど) | 270名 | 236名 | 87.4% | 34名 | 12.6% |
シンクタンク、コンサルティング | 192名 | 167名 | 87.0% | 25名 | 13.0% |
格付機関 | 17名 | 12名 | 70.6% | 5名 | 29.4% |
その他の専門サービス業 | 61名 | 57名 | 93.4% | 4名 | 6.6% |
建設業 | 637名 | 586名 | 92.0% | 51名 | 8.0% |
建設業 | 498名 | 455名 | 91.4% | 43名 | 8.6% |
ハウスメーカー | 120名 | 112名 | 93.3% | 8名 | 6.7% |
その他の建設業 | 19名 | 19名 | 100.0% | 0名 | 0.0% |
商社 | 189名 | 169名 | 89.4% | 20名 | 10.6% |
総合商社 | 182名 | 162名 | 89.0% | 20名 | 11.0% |
その他、専門商社等 | 7名 | 7名 | 100.0% | 0名 | 0.0% |
運輸業 | 158名 | 143名 | 90.5% | 15名 | 9.5% |
電鉄業 | 131名 | 118名 | 90.1% | 13名 | 9.9% |
その他の運輸業 | 27名 | 25名 | 92.6% | 2名 | 7.4% |
その他の業種 | 325名 | 284名 | 87.4% | 41名 | 12.6% |
製造業 | 68名 | 58名 | 85.3% | 10名 | 14.7% |
官公庁・その他行政機関 | 62名 | 56名 | 90.3% | 6名 | 9.7% |
業界団体等 | 42名 | 34名 | 81.0% | 8名 | 19.0% |
卸売・小売業 | 29名 | 26名 | 89.7% | 3名 | 10.3% |
教育機関(指導) | 11名 | 10名 | 90.9% | 1名 | 9.1% |
新聞・広告・出版など | 14名 | 12名 | 85.7% | 2名 | 14.3% |
その他(個人事業主含む) | 99名 | 88名 | 88.9% | 11名 | 11.1% |
無所属 | 197名 | 154名 | 78.2% | 43名 | 21.8% |
無所属 | 197名 | 154名 | 78.2% | 43名 | 21.8% |
学生 | 13名 | 11名 | 84.6% | 2名 | 15.4% |
学生 | 13名 | 11名 | 84.6% | 2名 | 15.4% |
総計 | 11,457名 | 9,973名 | - | 1,484名 | - |
(2024年4月時点のデータで集計)
不動産証券化協会認定マスターは、不動産証券化協会が認定する資格名称であり、
大学院修士課程や博士前期課程修了者の学位である修士(マスター)ではございません。
アセットマネジャーとはどのような仕事なのでしょうか。
ある日の業務を女性マスターに紹介してもらいました。
スターアジア投資顧問株式会社
(スターアジア不動産投資法人の資産運用会社)
取締役兼財務管理部長 菅野 顕子さん(M2009506)
08:30
始業前のウォーミングアップ
朝刊、証券会社から送っていただいているアナリストレポートを読みながら、脳のエンジン稼働準備。
リート全銘柄の投資口価格の寄り付きを確認。
前日に新投資口発行の公表をしたリート、業績予想を発表したリート、借入れを発表したリートの借入れ条件の変化など、前日の適時開示内容が市場でどのように評価され、今日の投資口にどのような影響を与えるのか、自分なりに分析。さらには未明に公表されたFOMC決定に伴い、外国為替市場の動きも確認します。
09:30
|
10:15
資産運用会社18名全員での週次の定例会議。
全体の目標の共有、連絡事項の他、保有物件60物件のすべてについての情報共有。物件の状況を把握できる重要な会議です。
月末の稼働率見込み、退去/入居の状況とそれらのテナントの業種、退去/入居の理由、リーシング活動状況、修繕、原状回復工事などの進捗、その他課題の共有です。期末も近づいてきたので、NOIの着地見込みを頭におきながら全員で情報を出し合います。
10:30
|
11:00
法定の取締役会とは別に、取締役メンバーで自由な意見交換。将来に向けた議論
11:00
|
11:30
取得候補物件について、今後検討を進めるかどうか、メンバーがそれぞれの角度から意見を出し合って議論します。
現地を見てきた人の意見はとても貴重です。不動産は「足をつかって、現地を見て」という基本が大事だと再認識。
11:30
|
12:00
朝に実施した社内全体ミーティングメモを見ながら、改めて議事録を作成します。一見重複している業務に見えますが、
改めて議事録を作成することにより、頭に叩き込まれ、どんなときでも物件の直近の状況が頭に浮かび、質問されたときの回答に瞬発力が生まれます。
12:00
|
13:00
会議室にそれぞれランチを持ち寄って、グループ会社のメンバーとランチミーティング。
毎回議題などは決めていなく、売買マーケット、賃貸マーケット、アセットタイプ、エリアなど考え方を意見交換したり、将来的な話を含めて自由な議論。
13:00
|
15:00
この先、数件のプレスリリースを予定。各担当から各種契約書などの資料をもらい、ドラフトを作成。物件説明の文章を書く時間は、エンジンフル回転、脳みそフル回転、集中できる時間です。やろうと思えば永遠にやってしまうので、今日は2時間と決めて取り掛かります。明日フレッシュな頭でもう一度取り掛かり、ブラッシュアップする予定
15:00
この日は決算短信や決算説明会資料が公表されているので、時間をかけてじっくり確認。他リートの決算説明会資料の説明切り口が勉強になります。物件取得、借入条件など、読み込めば見えてくるものがあります。
緑茶を飲みながらちょっと休憩。
先ほど終わった金融政策決定会合についての黒田総裁の記者会見を確認。コロナウィルス変異株の感染拡大や原油高の影響、消費者物価への波及などについてどのように見ているかを確認し、翌日以降の東証REIT指数にどのような影響があるか、自分なりに筋道を考えます。
16:00
|
17:00
ESG対応についてミーティングの申し入れがあり、サステナビリティ推進部長に同席を願い、ミーティング。ここ数年でESGに関する質問が急激に増えたことを改めて実感しました。
17:00
先ほどの機関投資家とのミーティングでの質問事項を受け、
データを整理して、IRミーティング時の手元資料の手直しをします。
19:10
帰る前にもう一度、他リートの適時開示が公表されているかを確認。
オフィスに残っているメンバーのうち、おなかをすかしているメンバーがいたので、オフィスのある愛宕グリーンヒルズ内の中華屋さんで、4人でちょっと1杯飲みながら餃子とホイコーローを堪能。
2016年4月に上場した総合型リートです。東京圏を中心としたアセットタイプ分散型のポートフォリオを構築し、2022年1月現在では、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテルを合計60物件を運用しています。
資産運用会社はスターアジア投資顧問株式会社で、投資運用部、サステナビリティ推進部、財務管理部の3つの部署とコンプライアンスオフィサーで構成されています。上場来、スターアジアグループの運用資産をベースとした外部成長と、抱負な経験とノウハウを持つ資産運用会社による内部成長の追求により、着実に成長し、資産規模を上場時から約2.9倍の約1,796億円(取得価格ベース)としました。投資主利益第一主義追求のための施策として、「既成概念にとらわれない」アクティブマネジメントを継続的に実行しています。
一般的に「AM業務」とは、運用資産の運営管理が主業務ですが、Jリートは不動産運用でありながら金融商品です。財務管理部である私にとっての最重要課題は「株価の維持向上」と位置付けています。金融マーケット、他リートの投資口価格やコーポレートアクションを比較検討しながら、日々の業界全体の変化を察知してIR戦略を立案することで、自分自身の成長にもつながっています。
さらには、不動産証券化協会認定マスターの資格取得によって、金融、会計、税制側面のみならず不動産管理運営に関連する知識を体系的に学んだことにより、リート運営に関してあらゆる側面からの議論に参加できるようになりました。
不動産証券化協会認定マスターは、不動産投資運用業だけではなく、金融・不動産に関する幅広い分野で活躍しています。
アセットマネジメント会社で活躍する女性マスターからのエールをご紹介します。
ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社
(ユナイテッド・アーバン投資法人の資産運用会社)
財務部 貝畑 奈央子さん(M0801605)
現在、総合型J-REITのユナイテッド・アーバン投資法人の資産運用会社でIRと、ESG分野を中心とする経営戦略策定を担当しています。J-REIT業界に転職するまでは、不動産仲介会社でリサーチ、コンサルティングをしていました。不動産証券化マスターという資格の存在を知った当時、証券化スキームを用いた不動産投資は増加傾向にありました。私のマスター取得は、そうした不動産売買の内容、売買に参加している投資家を理解しようと勉強を始めたことがきっかけでした。マスター取得後もしばらくは直接的に不動産投資・運用の実務に関わることはありませんでしたが、不動産証券化市場が拡大する中、リサーチ、コンサルティングのスキルを活かしつつ、より実務に近いところで働きたいと思うようになり、他業界・他業種への転職を決意しました。
IRは投資家やレンダー等との対話を担うフロント業務です。対応すべき分野はポートフォリオの運用状況の他、不動産賃貸・売買市場、金融市場、保有物件のテナントが属する各業界等、非常に多岐にわたりますが、各分野の動向について常にアップデートしておく必要があります。経営戦略策定においても、不動産や証券化にかかわる制度、ESGにかかわる様々な動向への理解は不可欠です。そういう意味で、マスター取得のために勉強したことはもちろん、不動産証券化協会から継続教育の一環としてマスターに提供されている幅広い分野の情報や研修は、適時開示や年2回の決算発表後に行う投資家との面談、投資家からの電話やメールでのお問い合わせに対応する際の“必修科目”と感じています。
マスター取得の甲斐もあり、他業界・他業種の仕事でもスムーズにスタートすることができました。現職に就いてから約3年半(2021年12月末時点)になります。マスター資格はご自身のキャリアパスの可能性を拡げることに繋がります。ぜひマスター取得にチャンレンジしていただき、今よりも更にご自身が活躍できる道を切り拓いていっていただきたいと思います。
三井不動産投資顧問株式会社(三井不動産株式会社より出向中)
(三井不動産プライベートリート投資法人の資産運用会社、不動産私募ファンドのアセットマネジメント会社)
海外事業部 兼 投資営業部 兼 ストラクチャード・ファイナンス部 福原 理子さん(M1204892)
2年ほど前から、三井不動産投資顧問株式会社で、私募リート用および私募ファンド用案件の取得業務と私募ファンドの投資家営業業務に従事しています。以前は三井不動産でビル用地の取得業務を実施しておりましたが、不動産本体とは違う投資顧問会社での面白さと難しさは、投資家のお金で案件を取得し、運用する点です。投資家毎に違った案件趣向、好みのシナリオ、重視するリターンのポイントがあり、案件毎にどの投資家がこの案件を好むか?を当てはめていく仕事は、日々の投資家とのコミュニケーションが全てです。用地取得にあたっても、スポンサー以外の仕上げた稼働案件の取得に向けて、他社や他ファンドとの幅広い方々とのコミュニケーションが必須になってきます。同業者はもちろん投資家でも女性が少なく、取得業務は女性に向かないのでは?と思われがちですが、すぐに覚えてもらえることに加えて、人を紹介してもらったり、懇親会へお声がかかったりというのも、普通の男性社員よりも多いと感じています。今は、珍しいことも強みにつながると信じて日々仕事に従事しています。
最後に、私はマスター取得により、当社への出向の機会を得、自らのキャリアの幅を広げることができたと感じております。皆さんも是非マスター取得を通して自らの活躍の幅を拡げていただきたいと思います。
三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社
(日本ロジスティクスファンド投資法人の資産運用会社)
財務企画部 金子 智衣さん(M1707169)
私はJ-REITの資産運用会社で資金調達を担う財務企画部に所属しています。J-REITは投資家・借入先からの投融資で不動産を取得しているため、資金調達は不動産運用の継続、資産規模の拡大において重要な役割を担っています。投資家・借入先に対してIRを実施し丁寧なコミュニケーションで信頼を得るとともに、情報の非対称性を解消して資本コストの低減を図ることが財務企画部の主な役割です。また、投資家・借入先からのフィードバックを経営に反映し、事業戦略の見直し・改善を行うことで企業価値の向上を図る役割もあります。
当社の財務企画部では戦略立案と投資家・借入先への説明等一連のIR業務を行っており、私自身も全般的に業務に関わっています。IRのやりがいは、投資家・借入先との信頼関係を構築するための戦略の立案と丁寧なIRを実施することで、中長期的にはJ-REITの企業価値の向上という形で結果が見える点だと思います。投資家・借入先の期待と市場動向・自社の立ち位置を把握しながら戦略を立案し、戦略に従って着実に目標を達成していく、そして説得力を持って運用状況を伝えることを意識しながら業務を行っています。
私は証券業界からJ-REIT業界に転職しており、当初は不動産に関する知識はほとんどありませんでした。証券アナリストや簿記2級の資格を取得しているため金融・簿記の基本的な知識はありましたが、不動産運用では独特の経営指標や税法が用いられるため戸惑うことも多かったです。不動産証券化協会認定マスターの資格取得のなかで、金融・簿記の基礎的な知識を不動産運用に活かす方法や、不動産ファンドに関する基本的な知識を網羅的に学ぶことができました。
J-REIT業界に転職してきて柔軟な働き方や従業員教育をサポートする会社が多いと感じています。私自身も在宅勤務や時差勤務を始めライフスタイルに合わせた働きやすい環境を整えたり、会社の教育制度を積極的に活用するなど充実した働き方ができています。また、不動産に関する専門的な知識を幅広く身に着けられることも大きな魅力です。これからJ-REIT業界を目指す方々もご自身のライフスタイルやキャリア形成に適した会社が見つけられることを願っています。
三井不動産投資顧問株式会社(三井不動産株式会社より出向中)
資産運用部 運用グループ 兼 企画グループ
中西 友梨奈さん(M2009149)
私は現在、私募ファンド・私募REITの資産運用会社である三井不動産投資顧問株式会社にて、物件の期中運用に従事しております。弊社には、専門知識の維持・向上を目的とした資格支援制度があり、ARESマスターの取得も推奨されていることから、業務の基礎固めのため、本講座を受講いたしました。
受講を開始すると、実務で触れながら頭の中で点在・散在していた事柄が、Course1を通して体系化されていき、非常にすっきりしました。Course2では、分析の要素も入った実践的な内容であり、覚えたての知識を実際に使うことが求められ、理解を深めるのに大変有益でした。講座を通して、膨大なテキスト量と講義時間には圧倒されましたが、その分、不動産証券化ビジネスにおける投資家、レンダー、AM、PM等のそれぞれの立場において必要とされる基礎知識を幅広く学ぶことができ、自分の立場以外のプレイヤーの視点を垣間見ることができました。日々携わるAMとしての視点を離れて、幾ばくか想像力がついたように思います。
資産運用会社は性別等関係なく、専門知識を活かして取り組むことができる業界だと感じています。講座を通して基礎知識を身につけることにより、経験が浅い方も豊富な方も自信を持って業務に臨むことができると思います。
不動産市場にはサイクルがあると講義にて学びましたが、コロナ禍を受けて新たなフェーズに入ろうとしている今こそ、本講座で身につけた知識を土台として研鑽を積み、微力ながらも、会社と不動産証券化市場の発展に貢献して参りたいと存じます。
イオン・リートマネジメント株式会社(イオンリート投資法人の資産運用会社)
(ご所属情報はご寄稿当時)
資産管理部 北山 麻樹さん(M2109670)
私は、商業施設型リートの期中管理部門に在籍しています。期中管理部門の主な業務としては、年度管理計画の作成と予実管理、資金移動や各種支払い、投資対象不動産が適切に維持管理されているかの確認、PMやBMなど不動産の維持管理にあたる関係当事者との協働およびその業務モニタリング、各種レポーティングなどがあります。
私がやりがいを感じる場面は、商業施設の現地確認の際、施設利用者が笑顔で過ごされているのを見た時です。アセットマネージャーの役割は、投資家の利益を最大化することにありますが、それは利用者にとって心地いい施設を実現することと密接に関連するはずです。お客さまであれば楽しく買い物できる、従業員の方にとっては楽しく働ける、今後もそんな商業施設の実現を目指していきたいです。
さて、今回女性マスターとしての特集ということですが、私の所属する会社の女性比率は約30%と、50%にはまだまだ届かないものの、全国平均を上回っています。私の所属する期中管理部門は、年間のスケジュールが比較的決まっている方なので、様々なライフイベントに直面することが多い女性にとって、そして女性に限らず多様な働き方を求める皆様にとって、働きやすい職場かと思います。にも関わらず、前述の通り現状女性はまだ少数派ですので、これから皆様にご活躍いただく余地は大きいと考えます。
不動産証券化協会認定マスターは、不動産と金融分野にわたる幅広い実践的な専門知識を有することを証明する資格です。資格を取得するために必要とされる養成講座では、不動産、金融、法律、税・会計制度など幅広い内容を体系的に学びますが、これらの内容は全てアセットマネージャーの実務に役立つ知識です。また、資格取得後も継続的教育の制度があり、最新の動向に常にキャッチアップできることも魅力です。マスターとしての高度な専門知識は、ご自身の活躍の場を広げるのにきっと役立つことでしょう。皆様のそれぞれのご活躍をお待ちしております。
令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
第1事業部 第4グループ
城田 圭央利さん(M2110065)
私は、令和アカウンティング・ホールディングス株式会社にて、大手不動産会社をクライアントとする部署に所属しています。令和アカウンティング・ホールディングス株式会社では、ファンドや投資法人の会計アウトソーシング業務、上場会社の連結決算や開示サポート業務、会計アドバイザー業務など、様々な経理業務の代行・サポート及びコンサルティング業務に従事してまいりました。
当社では、創業より不動産証券化業界の会計業務を行う外注先として実績と経験を積み重ねており、これまでの豊富な経験と蓄積されたノウハウを活かしたサービスを心掛けています。そのような背景から、不動産証券化に関する基礎固めを行いつつ、不動産証券化業界のさらなる理解を深めたいという思いから、不動産証券化認定マスターを目指すことにしました。
これまでは会計や税務面から不動産証券化業界を見ることが中心となっていましたが、不動産証券化認定マスターを受講し、会計や税務だけでなく、不動産証券化の歴史、法律、様々なステークホルダーの目線を知ることができました。また、スキームの違いを体系的に学ぶことができ、普段実務で関わってきた私募ファンドや投資法人に対する理解がより深まり、大変有意義な機会となりました。不動産証券化認定マスターは、金融や不動産業界のイメージが強いですが、会計に携わる当社でも大いに役立ち、将来のキャリア形成に繋がると感じています。
不動産証券化認定マスターを取得した後は、コンバージェンスWGや会計税務委員会の活動等を通じて、最新の情報に触れる機会があり、クライアントサービスのさらなる発展に繋げられるよう努力しています。他にも、当社で不動産証券化に関する書籍を発刊することになり、その際も不動産証券化認定マスターで得た知識を活かすことができました。
当社では、不動産証券化に関する業務について、数多くの女性社員が活躍しています。不動産証券化認定マスターを取得することで、自身の知見を増やし、活躍の場を広げるきっかけになるため、今後、より多くの女性マスターが増えることを期待しています。女性マスターのひとりとして、不動産証券化市場の発展に少しでも寄与できれば幸いです。
女性が仕事を続けていくうえでライフイベントの影響は小さくありません。
マスター資格制度の「資格登録の一時停止制度」の詳細と、
実際に一時停止制度を活用された女性マスターの経験を紹介します。
株式会社宮交シティ 総務部
兼いちご株式会社 サステナブルインフラ事業本部サステナブルインフラ運営部
和喜多 理恵子さん(M1607116)
私が産休育休による資格の一時停止制度を知ったのは、ちょうどその制度ができた時、2017年4月でした。何かの案内にそのような制度のお知らせがあったと記憶しています。
その後、産休に入ったのが2018年2月だったのですが、制度ができてから1年以内ということもあり、私の記憶にも新しく、制度を利用させていただくことにしました。
利用にあたっての手続きは特に難しいことはなく、申請書と母子手帳の一部コピーを送るというものでしたが、ARES事務局の方には、最初の手続きから資格復帰の時にも丁寧にサポートいただき、大変助かりました。
制度利用のメリットとしては、資格一時停止期間中の年間登録料の納入は不要、および継続教育の受講が免除されるというものです。継続教育の受講については、育児の合間にやろうと思えばできなくもないかもしれませんが、育休中は何かと慌ただしいので、実際に制度を利用した感想としては、継続教育の受講免除は有難いという気持ちでした。
いざ利用してみて、そういえば、このような制度は宅建などにはないなと思いましたし、この制度を作っていただいたお気遣いをしみじみ嬉しく感じました。
今後の資格制度への期待となりますが、育休中に新たに資格の勉強・取得をするという方もいらっしゃると聞きますので、試験の際の預かり保育など、そういったことにも、ある程度柔軟に対応できる資格制度であってほしいなと思います。ありがとうございました。
株式会社ザイマックス不動産投資顧問
公募投資運用ディビジョン(ご所属情報はご寄稿当時)
清水 かずみさん(M1205091)
2017年・2021年と2度、産休・育休を取得し、その際に資格の一時停止制度を利用させていただきました。
WEBサイトからの問い合わせで、必要な手続きについて個別にメールでご案内いただき、滞りなく手続きを行うことができました。
別の保有資格では産休育休にあたっての制度がなく、資格の登録が一時抹消され再登録が必要で、資格復帰のタイミングも希望のとおりにはいきませんでしたが不動産証券化マスターでは、休職・復職時期など最大停止期間内であれば自身の希望する任意のタイミングで資格の一時停止・解除を行うことができ、すべてオンラインでの手続きが可能でした。
個人的な事情ですが、2021年度の育休後からアセットマネジメントの業務に携わることとなり、資格を継続できたことで復職にあたっての気持ちのハードルも下がったように思います。
アセットマネジメント業務は不動産業界全般の中でも女性の比率が高いと思いますので、これからも業界の手本になるような資格取得・継続のサポートを期待しています。
ありがとうございました。
三菱商事都市開発株式会社
開発第一部
工藤 歩さん(M1707370)
当初資格の一時停止制度を認識しておらず、産休手続きについて会社と調整している際にこの制度を知りました。
出産前は、産休・育休中でも継続教育の研修受講のために外出できれば育児の良い息抜きになる、くらいにしか考えていませんでした。しかしながら妊娠中にコロナ禍となり外出が憚られることもあり、一時停止制度を利用することにしました。
育児が始まると出産前と生活スタイルは一変し、毎日寝不足の中慣れない育児に試行錯誤する日々が続きます。外出やウェビナーを受講する時間は確保できませんし、育児以外の事を考える余裕もありませんでした。今振り返ると育児をしながら継続教育を受講するのはなかなか難しく、この制度を利用してとても良かったと思います。
ARES事務局の方は必要手続きについて丁寧に教えてくださり、また資格復帰時の対応は個別事情に合わせてアドバイスをくださり大変有難かったです。
出産前は、夜に開催される研修やイベントにも気軽に参加していましたが、現在は時短勤務をしながら可能な範囲で継続教育を受講しています。
コロナ収束後も対面だけでなく引き続きオンライン研修等、仕事・育児と両立できる継続教育の実施を期待しています。
認定マスターとして登録された後、 出産・育児を理由に、休職や離職をされる場合、「登録の一時停止制度」を利用して、認定マスターの義務である継続教育の受講や年間登録料の納入の免除を受けることができます。また、病気にかかってしまったり、事故による大きなケガや後遺症などにより、長期的な療養が必要になった場合にも、この制度をご利用いただけます。
出産や育児に伴う休職・離職の場合、最長で育児の対象となるお子さんが3歳となる日の属する年度末日(3月31日)まで登録の一時停止が認められます。
この制度の適用を受けるためには所定の申請手続きを行い、許可を受ける必要があります。また、認定マスターに復帰する場合には所定の要件があります。
当協会では女性マスター活躍推進小委員会が中心となって座談会を企画・開催しています。
過去の座談会を紙面にてご紹介します。
ARES会員各社では女性を含む多様な人材が活躍できる(ダイバーシティ&インクルージョン)ための様々な取り組みが進められています。
ここでは金融機関、総合不動産会社における、多様な人材の活躍推進に向けた取り組みを紹介します。
三井住友信託銀行株式会社
不動産企画部 ESG企画推進チーム
関 恵都美さん(M1808156)
三井住友信託銀行株式会社(以下、「当社」)の、女性および多様な人材の活躍推進に向けた取り組みをご紹介させていただきます。
当社の取り組みをご紹介させていただく前に、当社の概要についてご説明します。
当社は国内唯一の専業信託銀行として長い歴史をもち、個人・法人・不動産・年金・証券代行等の幅広い業務を取り扱っています。その中でも不動産事業では、証券化信託・リート関連業務も主要な業務であり、当社の不動産証券化受託残高は約22兆円(2022/3月末時点)と業界トップを誇っており、不動産証券化市場の発展に貢献すべく、日々業界の皆さまと接点を持たせていただいております。
当社は、国内および海外に複数の拠点があります。また転勤の有無を含め、希望する職種コースを選択して働くことができます。社員全体では、約56%以上が女性になります。
合計 | うち女性 | うち男性 | |
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社員数(2021年3月末) | 13,740人 | 7,752人 | 8,988人 |
新卒採用者数(2021年度) | 394人 | 248人 | 146人 |
(出所:三井住友信託銀行㈱HP「2021 統合報告書・ディスクロージャー誌 本編」)
当社では、「個々人の多様性と創造性を経営に活かす」というダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の概念そのものを経営理念(ミッション)として有しています。2016年10月より人事部内にダイバーシティ&インクルージョン推進室(D&I推進室)を設置していますが、メンバーは人事部の専任担当者と各事業統括部の兼務者で構成されており、「各事業の実情に合った」施策を推進していることが特徴です。
では、ここから当社のD&I重点推進項目の具体的な取組みの一例を紹介させていただきます。
当社は、能力に応じた適材適所の配置を進めており、性別にかかわらず能力本位で管理職に登用しています。
① 女性の管理職数
② 女性の着実なキャリア形成を支援する人材育成
今後も、女性の活躍領域を広げ、多様な業務にチャレンジできるよう、研修のみならず、異動・配置・業務アサインを通じて成長の機会を提供していくことを目指しています。
当社では、「ライフイベントに左右されない」キャリア継続の取組みも進めています。
① 勤務地変更と海外転勤帯同休職制度
配偶者の転勤時の勤務地変更、海外赴任時の休職制度を導入しています。
② 産休・育休・復職支援
産休・育休中の社員に対しては、メールマガジンの配信等、定期的な情報提供を行っています。また、復職後のキャリア形成やスムーズな職場復帰をサポートするためのセミナーも開催しています。
③ その他両立支援
このほか、介護、がん治療や不妊治療と仕事との両立、男性の育児休業の取得推奨(2020年度 100%達成)など、多様な働き方をサポートする体制を整備しています。
当社では、「多様な働き方とワークライフバランスの実現」に向けて、社員が安心して働き、仕事と家庭の両立ができる職場環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
① 時差出勤や在宅勤務、サテライトオフィス(2021年6月時点、全国合計30拠点)勤務制度の導入
② 長時間労働抑制の観点から、勤務時間のモニタリングや勤務間インターバルの確保
これまでのご紹介に加え、社員全体の約2割を占める中途採用(キャリア入社)人材、障がい者、海外支店または海外現地法人に勤務するグローバル社員等の活躍に向けた取組みも推進しており、多様な分野の専門性が高い人材によるシナジーで、新たな付加価値の創出を目指しています。
ここまでは当社全体としての取組みをご紹介しましたが、最後に不動産事業での取組みもご紹介させていただきます。
当社の不動産事業の業務は、証券化信託・リート関連業務・仲介業務など多岐にわたるため、女性が活躍するチームに希望者をトレーニーとして派遣する「短期トレーニー制度」や、活躍する女性社員の仕事ぶりやチームの業務内容を取材した「不動産WOMAN・業務説明BOOK」の策定、また、女性マネジメント層による講義などを通じ、業務理解の深耕と、社内ネットワーク構築を推進しています。
より上の役職へのステップアップを意識し、外部講師を招いたキャリア形成に関する講演・研修の開催や、能力開発のためのきめ細かいOJTを実施しています。
以上、今後も時代の先行く取組みを推進することを目指し、女性含めた多様な人材の働きやすい環境を整備しながら、不動産証券化業界の皆さまと共に発展していきたいと思います。
最後までご高覧いただきありがとうございました。
三菱地所株式会社 投資マネジメント事業部
今後 千明さん(M1707296)
三菱地所株式会社(以下、「当社」)の、女性を含めた多様な人材におけるダイバーシティの推進に向けた取り組みをご紹介させて頂きます。
はじめに、当社グループについて概要をご説明させて頂きます。当社グループでは、総合デベロッパーとして国内外でまちづくりに関わる多様な事業を展開しています。その中でも投資マネジメント事業では、日米欧亜にアセットマネジメント会社を持ち、グローバルな資産運用ニーズに対応することで、世界30ヵ国、950社超の年金基金・機関投資家・一般事業法人および個人投資家様より約3.9兆円の不動産運用を受託させていただいております(2021年9月期末時点)。
日米欧亜の各拠点について簡単にご紹介させて頂きますと、日本国内では、三菱地所投資顧問にて、国内最大規模の運用資産を持つ私募REITおよび物流施設主体の上場REITなどの幅広い商品を運用しています。加えて、JREITのパイオニアであるジャパンリアルエステイトアセットマネジメントでは、オフィス特化型上場REITを運用しております。また海外においては、米国、欧州、アジアに拠点を設け、ローカルな知見・実績をもとにアセットの取得・運用を進めております。
それでは、当社グループの女性を含めた多様な人材におけるダイバーシティの推進に向けた取り組みについてご説明させて頂きます。当社グループでは、人材・働き方の多様性に配慮することや人権を尊重することは、経営や事業を行う上で重要な課題であるとの認識から、「三菱地所グループ行動指針」において、「人権・ダイバーシティの尊重」「一人ひとりの活躍」を掲げ、その着実な実践に向け、取り組みを推進しています。
具体的には、女性管理職比率目標(2030年:10%)及び管理職候補となる係長級社員に占める女性比率目標(2025年:30%)を策定するとともに、育休制度や退職者再雇用制度等人事制度の観点からも、女性がライフイベントにより離職することなく働き続けられ、より活躍できる環境整備等を進めています。また、育児と仕事を両立しやすい職場環境の実現には、男性育児休業取得率の向上も重要であると考え、2030年度までに男性育児休業取得率100%の目標を掲げております。
また、ワークライフバランスへの取り組みとして、社員一人ひとりがいきいきと働き活躍するためには、個性や価値観を尊重し、仕事と暮らしのバランスが取れていることが大切だと考えており、当社では多様な働き方を選択できるようにさまざまな制度および支援を進めています。
以上のように、当社では活力のある職場づくり、多様性を尊重し合う職場づくり、働きやすい環境づくりなど、さまざまな角度から環境整備に取り組んでおります。また、当社の本社オフィスでは柔軟で求心力のあるワークプレイスを実践し、アセット開発に資する実証実験などを進めております。
これからも不動産証券化協会の皆さまとの一層の連携をさせていただきながら、業界の発展に貢献をさせていただきたく思っております。最後までご高覧いただきありがとうございました。
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不動産証券化協会
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